リアルライフサイエンスが第15回DIA日本年会に出展しました

リアルライフサイエンスジャパンは、11月11日~13日に東京ビッグサイトで開催された第15回DIA日本年会に出展いたしました。DIA (Drug Information Association) は世界80か国以上に10,000人を超える会員を持ち、医薬品開発やライフサイエンスに携わる専門家の世界最大級のコミュニティです。リアルライフサイエンスにとって、日本年会への出展は初めての機会となりました。リアルライフサイエンスのマネージャーである山條 春子は「世界中で活躍する専門家の方が集まるこのような機会に参加し、貴重な意見交換の場を持てたことを非常に光栄に思います」と話します。

展示エリアでは45の協賛企業がブース出展を行い、CROであり近年バイオ医薬品開発にも力を入れているSyneos Healthや、医薬品開発における安全性監視のためのシステム開発を行うClinCloud、ベクター技術を活用したiPS細胞作製キットを提供するアイロムグループなど、最先端の技術を生かして医療や医薬品開発の現場で活躍する企業の数々が名を連ねました。


今回のDIA日本年会は「未曽有の変革の時代、イノベーション創出とグローバルヘルスの貢献をどのような連携の下で進めていくか」をテーマとし、医薬品業界や医療機器開発において世界をリードするスピーカーによる講演や、1,000人を超える参加者による活発な意見交換が行われました。講演のテーマは医薬品リスクや医薬品の安全性監視(ファーマコビジランス)、がん治療などを目的としたゲノム医療の実用化、AIを活用した医薬品承認審査の期間短縮など多岐にわたり、日々革新を遂げるテクノロジーを医療にどのように生かしていくことができるのか、またその規制をどのように行っていくのかなど、各分野の専門家による知見が共有されました。



今後の薬事規制のあり方

講演で扱われたトピックの中でも、薬事規制に関する議論が数多く見られました。現在薬事規制においては、安全性の確保に加えて、薬剤耐性菌(AMR)への対応と偽造医薬品への対策が新たな問題として挙げられています。これらの問題へは各国規制当局の協力が不可欠であり、DIAではICMRA (薬事規制当局国際連携組織)のイノベーションプロジェクトに取り組むメンバーにより、各国の最新の薬事規制の動向や今後の展望について活発な議論が交わされました。

アメリカではベンチャー企業発信の薬剤が承認品目の割合の多くを占めるようになってきており、これまではベンチャー振興で各国から後れを取っていた日本においても、今後この傾向が強まっていくと考えられます。医薬品開発に携わる組織が増えていくにつれ、イノベーションを視野に入れた薬事規制の新たな枠組みを各国の協力をもとに作り上げていく必要性が今まで以上に高まっています。


医療におけるビッグデータの活用

今回のDIAのテーマに沿って、今後ますます身近になっていくであろうビッグデータについても多くの議論が交わされました。日本では2018年5月11日に次世代医療基盤法が施行され、医療従事者は適切な管理の下で医療に関するビッグデータを利用することができるようになりました。アメリカではEHR(電子健康記録)やPHR(個人の医療情報)を普及させる取り組みが政府主導で進んでおり、日本においても、ビッグデータの活用ができるようになったことを機にこれらの活用に乗り出す製薬企業が増えていくと予測されています。DIAにおいても、EHRやPHRのデータをどう活用していくか、また、医療業界にどのような価値をもたらすかについて議論が交わされました。

一方で、日本の医療業界におけるビッグデータの活用には課題も多く、最も大きな要因の一つとして、医療機関における電子カルテの普及率の低さが挙げられます。保健医療福祉情報システム工業会が2015年に行った調査によると、日本全国約7,500の一般病院のうち電子カルテが普及しているのは38%であり、イギリスの97%やアメリカの69%(2012年時点)と比べても非常に低い割合です。この傾向は病床数が400未満の比較的小規模な病院において特に顕著であり、今後データ収集を進めるするにあたってまだまだ改善の余地があると言えるでしょう。


医療、医薬品業界における人材動向

今回、医療業界や医薬品業界を代表する多くの専門家の方と意見を交わし、各組織が優秀な人材の確保に頭を抱えている現状が改めて浮き彫りになりました。バイオ医薬品やゲノム治療など医療業界において新たな領域が成長を続ける中、それらの分野で活躍できる高い専門性や経験を持つ人材は極めて貴重で、需要は非常に高いようです。また、日本の大手製薬企業は今でも新卒採用の文化が根強く残っているところが多く、中途の人材採用を成功させるための社内制度やノウハウに乏しいという参加者の方の声も聞かれました。

この傾向を反映してか、今回のDIAにおいても、参加者に向けたキャリア形成のアドバイスや、仕事をする上でのリーダーシップの取り方をテーマとした講演も行われ、多くの方が真剣に聞き入っている様子を見ることができました。今後も日本の医療業界が成長を続けるためには、最先端の技術を最大限活用するとともに、人材戦略における革新も必要となっていくことが想定されます。

このような状況において、世界15か国を拠点とし、ライフサイエンス業界において世界最大級の規模を誇るリアルライフサイエンスの人材ネットワークは、優秀な人材を確保するうえで非常に大きな強みとなります。また、専門性の高い人材への需要が高まる中、ご自身の可能性を広げるためのキャリアアップを望まれる方には、医薬品、医療機器、バイオテクノロジー企業を始めとするライフサイエンス業界の外資系から日系グローバル企業まで、日本のスペシャリストのキャリアをサポートする非公開ハイクラス求人を紹介しています。

弊社の詳細についてはウェブサイトをご覧ください。弊社のLinkedInページでも業界の最新情報を日々配信しております。転職をお考えの方や最新の業界情報、非公開求人、レジュメの書き方等の相談はこちらよりご連絡ください。企業の成長のため、優秀なグローバル人材をお探しの採用担当の方がいらっしゃいましたら、こちらよりご連絡をお待ちしております。

今回のDIAで扱われたトピックの中で、今後以下についても記事をお届けする予定です。リアルライフサイエンスのアップデートをぜひお見逃しなく!

  • 日本はワクチンを正しく活用できているのか?
  • 薬剤耐性菌と闘うには
  • オーファンドラッグ(希少疾病用医薬品)の開発は十分に行われているか?



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